【大分 虎屋】豆腐の原料(大豆) by三代目とら吉

原料大豆の消費

豆腐の原料は、大豆が唯一ともいえるものです。大豆の使用量は、年間50万トン弱で、ここ数年大きな変動は ありません。豆腐の原料に適している大豆は、タンパク質の含有分の高いことが第一の要件ですが、依然輸入大豆が主流です。輸入先はアメリカ産が大部分です が、近年カナダなど他地域も増えています。なお、国産大豆は高タンパクで豆腐に適しますが、最近では稲作の減反代替作物として増産され、使用量も増えてお ります。

豆腐用原料大豆使用量の推移

出典元:一般財団法人 全国豆腐連合会

現在では、スーパーなどに買い物に行けば

国産大豆を使った豆腐はあまり珍しくはありません。

しかしながら、私のおじいちゃんや父親の世代の豆腐屋さんは

ほとんどが輸入大豆を使っていたと思います。

大量生産、大量消費の時代だったので

少ない原料で、どれだけ大量の豆腐を生産するかが

勝負所でした。

その時代、豆腐技術の進化は「機械化」という形でしたが

それはそれで、素晴らしいものであったと思います。

例えば、豆腐を固める「ニガリ」にしても

ムラなく誰でも作れるように使いやすいものも主流でした。

しかも、薄い豆乳でも固めることができ

コストも極限まで下げることが可能になりました。

やはり、この時代は豆腐を現在とは別の意味で

見直していたのではないかと思います。

因みに、小学校時代から豆腐屋を手伝っていたんですが

毎日、本当に嫌でした。

夜8時くらいに50メートル離れた

真っ暗な工場に行って大豆を洗う手伝いをしていました。

洗い終わるのに約1時間かかるのですが

その間、まず怖いんです。

いろんな音が「お化け」の仕業と妄想しまして

しかも、冷たい水が味付けになって…

いろんな意味で震えていました。

少し大豆の話とはそれましたが

輸入大豆はとにかく、よく洗わないといけないって事です。

真面目な話をしますと、コストの面で輸入大豆を使うのですが

近年、特に今年(2018、3月)輸入大豆の値上がりが大きくなっています。

このままいくと豆腐屋さんは大ダメージ必至です。

しかしながら、価格に反映できるところは多くはないでしょう。

だいたい30円以下の豆腐を売っているような企業は

「何がしたいの?」って思います。

結局は自らの首を絞めて、倒産しました…で

価格破壊をして、まわりにとんでもない迷惑をかけて

責任は一体だれがとるのでしょうかね。

国も、もう少し考えてほしいものです。

まあ、お偉いさんは豆腐の値段など知る由もなし…

「豆腐の心、白にて候」ってだれか言っていましたが

私は、まだまだ精進が足りません。

大豆の種類

主に今回は「輸入大豆」について話をしたいのですが

「遺伝子組み換え」については

ほとんどの、まともな豆腐屋さんは使っていませんね。

私の知ってるところは一軒もありません。

中国産大豆についてですが、今まで一回も使ったことがないので

意見の仕様がありません。

やはり、イメージの問題ですね。

実際はどうなんでしょう?

まあ、興味ありません。

私は、カナダ産のものは使っていますが

高たんぱくで使いやすいですね。

味は国産には、やはり及ばないと思います。

けれども最近はこだわった業者さんもいらしゃって

「特別契約栽培」といって

簡単に言うと、栽培期間中は農薬をいっさい使わない大豆。

これをブランド化しているところもあります。

カナダ産で極寒であることから生産できる大豆だということです。

新しいもの好きなんで、現在つかっていますが

「つくりにくい大豆」だとは感じているところです。

お客さんの反応を見ながら、今後のメインとするか検討中です。

どちらにせよ、消費者にとっては

めちゃくちゃ選択肢が増えて良いことだとは思いますけど…

10年後、どれくらいの老舗が残っていますかね。

まあ、悲しいことに「必要なし」の答えが聞こえてきそうです。

先日、107年続いた豆腐屋さんが勇退なされましたが

「時代の流れ」と社長は言っていました。

真面目で、素敵な職人さんでした。

非常にもったいないと思います。

「毎日、真面目にコツコツ」とが通じない時代なんでしょうか?

やっぱ、通じませんかね。

[Eat The Rich by Aero smith] を聴きながら…

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