【大分 虎屋】 伝統の油揚げ造り① by三代目とら吉

油揚げの呉作り

豆腐造りと油揚げ造りは大豆から違います。

おそらく、他の豆腐屋さんでも違うと思います。

例えば、大粒の大豆を選んだり、古い大豆を選んだり

大豆をブレンドしたり、ホントに千差万別…

同じところは一軒もないでしょう。

そして、油揚げを好んで製造する豆腐屋さんも少ないと思います。

話はそれましたが、まずは油揚げ用の「呉」について

摩砕(まさい)

浸漬し水分を含んで大きくなった大豆を細かく砕きます。昔は石臼で挽いていましたが、現在はグラインダーが一般に用いられています。磨砕は、大豆の細胞を破りタンパク質等の成分の抽出に役立ちます。磨砕は注水しながら行いますが、加水量によって豆乳の濃度を加減します。
昔、家庭で大豆を水に浸しすりつぶし煮たものを呉汁といいましたが、同じような工程といえるでしょう。
※生呉・・・磨砕したものを呉といいます。加熱したものと対比して生呉といいます。   

出典元:一般財団法人 全国豆腐連合会

前の晩から、洗った大豆を水に浸けて磨砕したものを「呉」というわけですが

ここで、油揚げ用の「呉」を作らなければいけません。

一番最初の作業で、すでに緊張が走ります。

ひとつ目は、大豆の浸透時間です。

暑い日、寒い日で水に浸す時間は全く違いますし、大豆の種類でも変わります。

しかも、豆腐屋さんによって短めの時間、長めの時間など。

私共は若干ですが、豆腐造りよりも長めの浸透時間としています。

ふたつ目は、大豆を磨砕する時の水の量です。

後々の、豆乳濃度にかかわるので、とっても気を使います。

ここの担当は70歳を過ぎた二代目が、勘で行なっています。

重要なところなので、私には譲りませんね。

ここで、失敗すると全部だめになります。

何事も最初が肝心ってことですね。

あー耳が痛いです。

とりあえず、今回は「呉」について書いてみました。

よく聞く、「呉汁」はここからきています。

味噌汁に混ぜて、沸騰させれば出来ますので一度お試しあれ。

こんな時、地元に豆腐屋さんがあったらいいですよね。

生呉は傷みやすいので、あまり売っていないと思います。

貴重な食材です。

もちろん、自分で作っても大丈夫ですが。

とうふ屋さんの「呉」にはかないませんよ。

ひとつ、言い忘れましたが豆腐用の呉にしてくださいね。

寒い日の呉汁は、身体が温まっていいです。

健康にも、とってもいいですね。

なかなか、現場の声は聞けないので面白いでしょう。

[ 深夜高速 by フラワーカンパニーズ ]を聴きながら…

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