【大分虎屋】伝統の油揚げ造り② by三代目とら吉

油揚げの呉焚き

油揚げ用の「呉」を釜に移して、「生呉」を煮ていきます。

加熱

生呉を加熱します。加熱は、大豆タンパクを凝固しやすく、成分を最大に溶出させるために行います。昔は、呉を釜に入れ直火で加熱(地釜)していましたが、現在はボイラーによる蒸気加熱が主流です。加熱温度は、100℃前後です。
※煮呉・・・生呉を加熱したものを煮呉といいます。

出典元:一般財団法人 全国豆腐連合会

釜の「呉」を蒸気で煮ていくのですが、二代目曰く

ここが「腕の見せ所」だそうです。

確かに、どこの豆腐屋さんも独自の焚きがあります。

それは、機械によっても違いますし

材料によっても違います。

新しい豆は焚き時間がながいでしょうし、

古い豆はその逆です。

さらに、生地の伸びも変わってきますね。

私どもは新しい大豆は使いません。

さらに、大粒の大豆も使いません。

そのうえでの、「呉」の焚き方ですので…あしからず。

それでは、参考にする人がいるとは思いませんが

説明していきます。

まずは、蒸気をフルにして一気に炊き上げます。

すると、数分後から「呉」を炊く音が変化していきます。

この変化はちょっと経験が必要と思いますね。

私は嫌というほど、この作業を繰り返していますから、

自然とわかるんですが、

二代目と私しか、変化を感じることが出来ないみたいで…

正直、困っています。

この部分が、マニュアル化できれば問題がないのですが

どうしても毎回、焚き時間が変わってきます。

時間割の調整がきかないので仕方ありません。

今は、二代目が現役で頑張っていますが

引退したならば、油揚げ造りも終わりかなって考えています。

話しがそれましたが、一気に沸騰までさせたあと

焚き音の変化するまでは、そのままの状態でキープします。

音の変化を感じた後、蒸気を弱めまして大体5~7分くらい炊きます。

そして、納得のいく「煮呉」になったら一気に「冷水」を流し込みます。

「煮呉」の温度を下げ、豆乳をさらに薄めます。

そして、絞り機にかけます。

一気に「冷水」を流し込む理由は、実はよくわかりません。

おそらくは、豆乳の温度を下げるのと同時に濃度の調整でしょうが

それが、ニガリの凝固と反応速度に影響を与えるためかと…

しかし、扱うニガリも種類豊富で反応速度も違いますしねぇ。

ここは、考えるのをやめます。

考えると、眠れなくなりそうなので…

結構、豆腐屋さんは「理由」が後付けってありますよね。

だから、そこが「勘」なんでしょう。

田舎揚げのオートメーションは聞いたことがないですけど

いつかは「A.I」とやらが、やっちまうのでしょうか?

[Born to run by bruce springsteen]を聴きながら…

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