油揚げの呉作り
豆腐造りと油揚げ造りは大豆から違います。
おそらく、他の豆腐屋さんでも違うと思います。
例えば、大粒の大豆を選んだり、古い大豆を選んだり
大豆をブレンドしたり、ホントに千差万別…
同じところは一軒もないでしょう。
そして、油揚げを好んで製造する豆腐屋さんも少ないと思います。
話はそれましたが、まずは油揚げ用の「呉」について
摩砕(まさい)
浸漬し水分を含んで大きくなった大豆を細かく砕きます。昔は石臼で挽いていましたが、現在はグラインダーが一般に用いられています。磨砕は、大豆の細胞を破りタンパク質等の成分の抽出に役立ちます。磨砕は注水しながら行いますが、加水量によって豆乳の濃度を加減します。
昔、家庭で大豆を水に浸しすりつぶし煮たものを呉汁といいましたが、同じような工程といえるでしょう。
※生呉・・・磨砕したものを呉といいます。加熱したものと対比して生呉といいます。出典元:一般財団法人 全国豆腐連合会
前の晩から、洗った大豆を水に浸けて磨砕したものを「呉」というわけですが
ここで、油揚げ用の「呉」を作らなければいけません。
一番最初の作業で、すでに緊張が走ります。
ひとつ目は、大豆の浸透時間です。
暑い日、寒い日で水に浸す時間は全く違いますし、大豆の種類でも変わります。
しかも、豆腐屋さんによって短めの時間、長めの時間など。
私共は若干ですが、豆腐造りよりも長めの浸透時間としています。
ふたつ目は、大豆を磨砕する時の水の量です。
後々の、豆乳濃度にかかわるので、とっても気を使います。
ここの担当は70歳を過ぎた二代目が、勘で行なっています。
重要なところなので、私には譲りませんね。
ここで、失敗すると全部だめになります。
何事も最初が肝心ってことですね。
あー耳が痛いです。
とりあえず、今回は「呉」について書いてみました。
よく聞く、「呉汁」はここからきています。
味噌汁に混ぜて、沸騰させれば出来ますので一度お試しあれ。
こんな時、地元に豆腐屋さんがあったらいいですよね。
生呉は傷みやすいので、あまり売っていないと思います。
貴重な食材です。
もちろん、自分で作っても大丈夫ですが。
とうふ屋さんの「呉」にはかないませんよ。
ひとつ、言い忘れましたが豆腐用の呉にしてくださいね。
寒い日の呉汁は、身体が温まっていいです。
健康にも、とってもいいですね。
なかなか、現場の声は聞けないので面白いでしょう。
[ 深夜高速 by フラワーカンパニーズ ]を聴きながら…